建築設備士合格への勉強時間・方法・教科書
「建築設備士」 という資格を知っておりますでしょうか。
一昨年の話になりますが、私は建築設備士を受験し無事合格しました。あまり受験している方も少ないので、実際どれくらい勉強に時間がかかったか、参考書に何を使ったのか等を紹介します。
建築設備士とは?
下記のリンクより、引用すると、
「建築設備士は、建築設備全般に関する知識及び技能を有し、建築士に対して、高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行える資格者として位置づけられています。
建築士法においては、建築士が、大規模の建築物その他の建築物の建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合において、建築設備士の意見を聴いたときは、設計図書又は工事監理報告書において、その旨を明らかにしなければならないこととされています。また、建築基準法による建築確認申請書、完了検査及び中間検査申請書においても、その旨を明らかにしなければならないこととされています。」
要約すると、
建築設備の設計・工事管理に関して助言が行えるが、法的規制はない。ただし、助言を聞いたときは、ちゃんと聞けよ!
ということです。
なんか微妙な資格に見えるかもしれませんが、ちゃんとメリットはあります!
建築設備士取得のメリット
法的規制がないため、建築業界の花形資格、1級建築士に比べると位置づけが低くなってしまいます。しかし、受験するメリットはあります!
- 大学を指定学科で卒業し、建築設備に2年間従事していれば(自己申告制)、受験可能
- 1級建築士の受験資格がもらえる
- 設備設計1級建築士を受験する際に優遇措置がもらえる。建築設備士を取得した日から受験資格に必要な業務経験(5年以上)のカウントができる。
最終キャリアとして、設備設計1級建築士を目指す人にとっては、非常に良い資格です。建築業界は資格が重視されますからね。。私は1級建築士の受験資格がもらえない学科だったため、今後1級建築士を受験するには、必須資格だなと思い、受験しました。
勉強時間
1次試験
1次試験は、6月の中~下旬にあるため、 4月頭から教科書や問題集を買い漁り、GWからは本格的に勉強を開始しました。それから、通勤時間と休日は2日、直前の金曜日は休みをとって勉強するスケジュールを組みました。
時間換算すると、大体の勉強時間は、
まとまった休日:18日 ⇒ 1日5時間勉強として、90時間
平日:30日程度 ⇒ 1日1時間として、30時間
合計 120時間くらい勉強すれば、受かりました。
時間に換算すると、結構かかっているように見えますね。。
ただ、毎日やればそれほど苦ではないです。スキマ時間を見つけて、勉強時間を積み重ねていきましょう!
2次試験
2次試験は8月の中旬にあります。私の時は社会人がゆっくり羽を伸ばせるお盆最終日にありました。という背景があり、本当はもっと前々から勉強したかったのですが、勉強開始できたのは、お盆入ってからでした。
時間換算すると、大体の勉強時間は、
まとまった休日:7日間 ⇒ 1日6時間勉強として42時間
合計 42時間くらい勉強すれば、受かりました。
1次試験よりも1日あたりの勉強時間数が増えているのは、けっこう焦って詰め込んでいたからです汗。。さらに、ひたすら書く勉強になるため、まとまった勉強時間が1次試験よりも必要になりました。
試験の概要と勉強方法
1次試験(学科)
試験の概要について説明します。当日の時間割は、
9:45~10:00(15分) 注意事項等説明
10:00~13:00(3時間) 建築一般知識、建築法規
13:00~14:00(1時間) 休 憩
14:00~14:10(10分) 注意事項等説明
14:10~17:10(3時間) 建築設備
点数配分については、
建築一般知識 30点
建築法規 20点
建築設備 50点
例年の合格点基準点は、
建築一般知識 12点以上
建築法規 10点以上
建築設備 25点以上
総得点 60点以上
となっています。つまり、6割取れれば、合格です。
では、6割取るために、
120時間かけてどんな勉強をしたかというと、
①法令集にマーカー、付箋(過去問全ての問題分)
②6年分過去問を3回解きなおし+苦手な問題を集中して解く
③日建の1次試験模試
この3つを順にやりました。
①法令集にマーカー、付箋(過去問全ての問題分)
建築設備士の試験は、携行できるものとして、法令集の持参が可能です。細かいルールは1級建築士試験のルールと同じなので、下記のHPを参考にしてください。
法令集には必ず、答えが載っています。つまり、該当するページ、内容が分かっていれば公式でカンニングができるということです。
しかし、試験には制限時間があり、分厚い法令集を調べるのは、本当に大変です。。したがって、よく問題で出る個所にマーカーや付箋等、見出しをつけて早く調べることができるよう対策することが必要です。
私が行った対策は、
付箋:2問ごとに色を変更と、場所をずらして貼る(全部で10段、10色)
マーカー:過去問で出た文章は、オレンジマーカー。答えになった文章は緑マーカー
これを過去問全てで行いました。
これを行った結果、解いていない過去問がなくなってしまい、不安になりましたが、模試では8割、当日の試験では9割を建築法規で取ることができました。
建築法規では、これだけやっていれば十分ということですね。
参考に、私が使用した法令集を紹介します。独学でやる人はこれ一択です。昔の法令集でも、良いのかもしれませんが、できれば最新版が良いでしょうね。
②6年分過去問を3回解きなおし+苦手な問題を集中して解く
使用した問題集を紹介します。この問題集は必須ですね。教科書もあるにはあるのですが、途中から全く使わなくなってしまいました。
また、1年前の問題集は日建からもらえます(後述)ので、2年前の問題集を買うことをオススメします。私は幸運にも間違えて2年前の問題集を年度間違いで買っていたため、得しました。問題集を買って5年分、日建から1年分もらって、下準備完了です。
この問題集を使用して、ひたすら勉強しました。3回も行えば、どうしても苦手な問題以外はほとんど解けるようになっていると思います。問題をみたら答えがわかる!という状態になっていたら良い感じです。
③日建の1次試験模試
日建のHPから申し込みました。問題解説集を出版しているところなので、解説の質も良く、比較的安価で受けることができるのが良いです。試験前の力試しにちょうど良いですね!
ちなみに私は試験の1週間前に模試を自宅受験したのですが、法規が8割取れていたおかげで合格でした。(71点、ちょっと安心)
また、お得な情報として、日建は1年前の過去問の解説集を無料でプレゼントしてくれます!私は、問題集を間違えて買っていたので、非常に得をしました。
↓日建のHP・プレゼント
https://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/equipment/course/mogi
https://www.ksknet.co.jp/nikken/campaign/other.aspx#present_equipment
2次試験(設計製図)
試験の概要について説明します。当日の時間割は、
10:45~10:00(15分) 注意事項等説明
10:00~13:00(3時間) 建築一般知識、建築法規
長期戦です。そして、時間が全然足りない、時間との勝負になる試験です。
独学でやるなら、JAFMEC(日本設備設計事務所協会連合会)でやっている講習会を受験しましょう!これは必須です!
この講習を受けると、今年のお題に沿って、どんな問題が出ると想定されるか?製図ではどんな図面を書くか想定問題集がもらえます。
この問題集に書いてあることが正直に言うと、ほとんどそのまま出題されます。
この問題集を暗記して時間内に書く練習を行えば、2次試験は受かります。
当日の持ち物として、電卓(関数電卓不可)、定規、三角スケール、テンプレート(円・だ円・正三角形・正方形及び文字用)は必須なので、絶対忘れないようにしてください。ないと詰みます。。
勉強方法としておすすめなのは、本番の解答用紙を使って勉強することです。大体どれくらいの大きさで書けば良いか等、注意するべき個所がわかってきます。
時間が足りなくなってくるのも徐々にわかってきます笑。
試験当日の戦略は、おそらくこういう試験は加点方式だろうと考えていたので、私は回答は全て埋めるようにしました。中には1文だけ書いた問題とかあったと思います。
結果として合格できたので、時間が無くなってきたら、解答だけでもひとまず書く戦法はアリかもしれません。
合格にかかる費用
私は見切り発車で、教科書から買ってしまう人間なので、大体の受験費用でこれだけかかりました。
受験手数料・・・35,640円(直接買いに行きました、郵送も可)
法令集 ・・・ 4,320円
問題集 ・・・ 4,200円
講習会費用・・・ 25,000円
合計 69,160円
た、高い。。さらに自分は、Amazonでも売っていないマイナーな教科書
教科書(建築) ・・ 5,700円 建築設備士受験の総合対策 建築編
教科書(設備)・・ 5,800円 建築設備士受験の総合対策 空調・衛星編
教科書(電気)・・ 6,500円 建築設備士受験の総合対策 電気設備編
を買っています。合計 87.160円。。
これだけお金を入れたから、受かろうと思ったのもあります笑。
しかし、受験する前に大体どれくらいかかるのかを知っておいた方がよかったなあ、と反省しました。反面教師として、最低、合格するためにはこれだけ費用がかかると思ってもらえれば幸いです。
それでも不安な方は日建や総合資格が資格取得のための講座をやっています。私は、時間を拘束されるのが嫌だったので、受けませんでした。
自分で勉強時間を作るのが苦手な方は考えてみても良いかもしれませんが、高額のため、よくご検討をされてから決めると良いと思います。
ではでは。